はだしのゲン２ (1986)

中沢啓治による反戦漫画の名作をもとにしたアニメ映画の第2弾。広島への原爆投下による災厄と悲劇を描いた前作に続き、戦後の混乱の中で必死に生きようとする主人公ゲンたちを描く。今回はゲンと母親、弟分の隆太という家族のほか、隆太同様戦争で親を亡くし、子どもたちだけで生きている戦災孤児の集団が大きく関わってくる。どんなときも前を向く強さを失わないゲンのバイタリティーが、戦後の厳しい環境や、つらいことばかりが起きる物語の中でせめてもの希望をもたらしている。前作と合わせ、戦争や原爆のもたらす悲惨さ、そして人の絆の尊さを描いた良作となった。 終戦から3年。焼け野原となった広島市街にも復興の兆しが見えるものの、まだ戦争の爪痕は深く、多くの人々は苦しい生活を送っていた。小学4年になったゲンは、弟分の隆太とともに母を助けながら暮らしていたが、母の体調が優れない日が増えていくことを心配する。そんな中、ゲンと隆太は闇市で政をリーダーとする戦災孤児の集団と出会い、意気投合。ゲンは母にいい薬を買ってやりたいと、政たちと行動をともにするのだが……。